ながせの哲学
5手打ち蕎麦を8倍楽しむ方法
蕎麦の食べ方についてあれこれ指南したがる人もいますが、ながせではそれぞれのお客様の好きなように食べていただくのが流儀です。
味覚は人それぞれ、蕎麦の楽しみ方も同じです。僕が口を挟むことではありません。
ですが、お客様の中には「もっと良く蕎麦の味を知りたい」と言われる方もいます。
そこでここでは、いろいろなお客様から聞いた、いろいろな蕎麦の楽しみ方をまとめてみました。
-
1.もり蕎麦を選ぶ
ざる蕎麦ともり蕎麦の違いは刻み海苔が付くかどうかです。
海苔の香りは非常に強いので、蕎麦そのものの香りを感じとるには海苔なしのもり蕎麦のほうが適しています。 -
2.食べる前に水で味覚と嗅覚をを中立に戻す
何も蕎麦に限ったことではありませんが、蕎麦の場合はとくに香りが繊細ですので、下準備もより重要となります。
-
3.何も付けないで蕎麦だけ食べてみる
蕎麦本来の香りを理解するには、何もつけないで食べてみるのが手っ取り早い方法です。
蕎麦の香りが感じられるようになったら、あとは普通の食べ方に戻してもその香りを感じることができると思います。
福島県の山都町(やまとまち)には水だけで蕎麦を楽しむ「水そば」という食べ方もあります。 -
4.薬味の量を変えてみる
薬味の爽やかな辛味は蕎麦にも良く合うと思いますが、薬味が強すぎると蕎麦の味は分かりにくくなります。
だから最初は薬味を使わないというのも良いでしょう。
ながせでは、最初は薬味を使わずに徐々に増やしていく人や、蕎麦湯にだけ薬味を使う人、あるいはまったく使わない人など、いろいろなお客様がいらっしゃいます。 -
5.塩を振ってみる
スイカに塩を振るのと同じ理由で、蕎麦の甘みを感じやすくなります。
蕎麦自体の品質に自信を持っているお店の中には、「塩そば」を出している店もあります。 -
6.いつもより良く噛んでみる
人間の味覚は温度によって感じ方が変わります。
よく噛むことで蕎麦の温度が体温に近くなり、甘みを感じやすくなります。 -
7.いつもより噛む数を減らしてみる
よく噛んだほうが蕎麦の味と香りは感じやすくなりますが、そうするともう一つの蕎麦の魅力である喉越しは失われます。
だから、蕎麦の味と香りが十分に感じられたら、あとはあまり噛まずにひたすら喉越しを楽しむのも良いでしょう。
ただし、水分を吸収してベタベタしてきた蕎麦は噛まないと喉につまりやすいので注意して下さい。 -
8.蕎麦湯を楽しむ
蕎麦湯もまた蕎麦の楽しみの一つですので、ぜひいろいろと試しながら、自分なりの楽しみ方を見つけて下さい。
蕎麦の香りを堪能するために純粋な蕎麦湯を飲むのもよし。
余ったつゆを蕎麦湯で割るもよし。さらに、余った薬味をどっさり入れてリフレッシュするもよし。
お好きにどうぞ。