ながせの哲学

蕎麦って高くね?に対する回答

500円で普通にお腹を満たせる時代、蕎麦が高いと言われるのも分からないではありません。
蕎麦文化が花開いた江戸時代、それは軽食とかおやつ的な扱いでした。
今だったらスタバでサンドイッチ頼む感じ。まあ、そんなオシャレ感覚ではないでしょうけど。

ところがですね、蕎麦の原料って意外に高いんです。特に国産の蕎麦となるとどうしても原価がかさみます。
それと、生の手打ち蕎麦は保存がきかないので、余ってしまった分は無駄になります。
だから大量に作って薄利多売というわけにもいきません。
どうも言い訳がましくなってしまうのでやめますが、とにかく手打ち蕎麦の値段が高くなりがちな理由はたくさんあります。
まあ、蕎麦に限った話ではありませんが、こだわれば高くつくのは当たり前です。

ただ、僕が思うに、問題の本質は「蕎麦って高くね?」ではなくて、「蕎麦って言うほど美味いか?」ということなのではないでしょうか。
つまり、同じ千円払うなら蕎麦じゃなくてカツ丼にするわ、とか、いや俺はラーメンのほうがいい、という人が多数派なのではないかと。
何だって同じですが、商品のクオリティが値段に見合っていれば高いとは言われません。
だとすれば、やはり蕎麦の味は値段に見合っていないのでしょうか。
いえ、いい手打ち蕎麦は本当はすごく美味しいんです。
どんなそばが美味しい蕎麦か、それは人の好みによるところが大きいのですが、それでも、本当の蕎麦の味を知っていただけたら、それを高いと言う人はあまりいないだろうと僕は思うんです。
もっとも、僕たち蕎麦を提供する側にも、その本当の魅力を積極的にアピールしてこなかったという責任はあるかもしれません。

そんなわけで、僕の考えはこうです。
「決して高くはないんです。けど、値段以上の魅力を知っていただけるように、もっと頑張ります。だからながせに来てください。」
さあみなさん、ながせに来てください。

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